本日、令和6年2月定例会一般質問登壇しました。


 令和6年2月定例会 一般質問に登壇しました。 質問の構成は次の通りです。

今回は、内田市政における教育行政の進捗状況について15問。第18次いわき市水道事業経営審議会からの答申について14問の合計29問質問をいたしました。 

それでは今回の一般質問原稿です。

 おはようございます。志帥会の西山一美です。暦の上では立春が過ぎ、三寒四温を繰り返しながら春の訪れを迎える雨水の時期となりました。さて、私は、5年間理数系の学校で大変苦労しましたが、そのおかげで素晴らしい数学の先生にお会いすることができました。そして、その先生の影響からか、何かと数字に置き換えて考える習慣が身につきました。だからと言って計算高い性格ではないと思います。先生からのお話の中で、忘れられない言葉があります。それは、「君たちがリーダーシップを得たいなら、分母の数を大事にしなさい」と言う言葉です。その意味は、人はよく、世間の皆さんがとか、多くの人達がと言いたがるが、具体的にどの位の人と考えて言っているのかを、数学的視点から、あなたの主張は全体の何分の何なのか、それを意識してお話しをすることが必要だ。つまり、分母の数が問題で、例えば、一人からだけ意見を聞いて、それを口にすれば1分の1で100%。二人に聞いて二人とも同じ意見なら同じく100%。一人だけなら50%。だからこそ、「リーダーを目指す人たちは、分母の数を増やす努力をしなければならない。分母の数を増やし、そして分子の数も増やすことで説得力が高まる。そのための努力こそが最も大切なことだ」と話されたと記憶しています。最近、様々な事柄に接する中で、この言葉を思い出し、当時はあまりピンときませんでしたが、今はなるほどと理解をするところです。昔のことははっきり思い出し、最近のことは忘れがちな自分に少し別の心配をしていますが、改めてこの言葉を胸に刻み、以下、通告順に質問をいたします。

 

 1.内田市政における教育行政の進捗状況について 

大きな質問の1番目は、「内田市政における教育行政の進捗状況について」です。

 (1)1点目は、「学力日本一の実現」への取組み状況についてです。

内田市長におかれましては、市長就任後、約2年半が経過しようとしておりますが、この間、市政進展のため掲げられた市民の皆さんとの約束のほかにも、新型コロナ感染拡大防止対策や、自然災害に遭われた皆様への対する迅速な対応など、日々、様々な施策を積極的に実施し、市民の安全・安心のさらなる向上のために奮闘してこられました。そのような中、今回、私からは、あらためて市長を目指した原点となる教育行政の各種政策、事業についての現時点での取組み状況などについて伺っていきたいと思います。はじめに、「学力日本一の実現」に関連した取組みについてです。市長は、政策の一丁目一番地として、「学力日本一」を位置づけ、教育委員会内に、新たに「学力向上チーム」を立ち上げるとともに動き出しました。そこでまず1つとして、あらためて、ア、「学力向上チーム」とはどのようなものかその概要について伺います。

【答弁】教育長  学力向上チームについてお答えします。令和4年度に各種調査データの分析と学校管理職への指導助言を行う専門組織として発足しました。当初は、退職校長からなる専門的な知見を有するアドバイザー3名と指導主事などで編成しました。今年度からは、学力向上アドバイザーを1名増員し、体制を強化しました。このような体制のもと、市内の全小中学校を訪間し、学力向上に向けた具体的な助言を行っています。 

2つとして、イ、「学力向上チーム」の現在の取組み状況について伺います。

【答弁】教育長 学力向上チームの主な取組みとして、全国学力・学習状況調査等の分析結果と改善策を「学校カルテ」にまとめ、それをもとに、学力向上アドバイザーが各学校を訪間し、管理職との面談を行っています。この中で、各校が抱える教員の授業力向上や配慮を要する児童生徒への支援のあり方、家庭や地域との連携などの諸課題への解決策や学校経営に関する具体的な助言を行っています。こうした取り組みにより、我々と課題を共有し、学校の管理職の意識改革が進んでいると実感しています。

3つとして、ウ、昨年4月に実施された、全国学力・学習状況調査における、本市の状況はどのようなものだったか伺います。

【答弁】教育長 令和5年度の本市の状況については、全国平均と比較しますと、小学校では、国語が、おおむね全国平均と同じです。算数はやや下回るものの、前回と比べ、若干の改善傾向が見られます。中学校では、国語が、全国平均をやや下回り、数学・英語は下回る結果となりました。前回と比べ、全国平均との差に開きが見られましたことから、中学校では課題と考えられます。

小学生については、ほぼ全国平均で、その差も昨年比で、やや縮小し、改善傾向が見られる一方で、中学生については、特に、数学・英語で昨年比でも差が拡大したとのことです。学力向上チームとしての活動は、まだ始まったばかりであり、しっかりとその責務を果たしていくことが重要です。先ほど、「学校カルテ」により、学校ごとの特徴とそれを踏まえた学力向上のための指導・助言がなされているとの答弁がありました。昨年の8月に開催された総合教育会議を、私も現場で傍聴いたしましたが、今年度は「学校カルテ」のさらなる内容充実も図られているとの発言もあったと記憶しています。また、先日、教育長記者会見で、これまでの「学校カルテ」を刷新し、新たに「学校カルテ(学校・学級ダッシュボード)」の導入について公表されました。そこで4つとして、エ、この「学校・学級ダッシュボード」とは何か伺います。

【答弁】教育長 新たに構築した「学校・学級ダッシュボード」は、全国学力・学習状況調査やふくしま学力調査、本市独自の児童生徒理解アンケート調査を複合分析するためのシステムです。教科学力だけでなく、非認知能力や学習方略などについてクロス分析し、結果がグラフや図表として、可視化できるようになりました。加えて、各校において、データ分析が手元の端末でできるようになり、学力向上アドバイザーの訪間を待たなくても、各校で容易にデータ分析に取り組むことが可能となりました。

県内初の試みとされているとのことですが、5つとして、オ、分析対象をどのように拡充したのか伺います。

【答弁】教育長 これまでの学校カルテは、全国学力 学習状況調査の対象学年である小学校6年生と中学校3年生の結果をもとに分析しておりましたが、「ダッシュボード」では、ふくしま学力調査の対象学年を含めた小学校4年生から中学校3年生まで、分析対象を拡充し、各学年の毎年度の経年変化が把握できるようなシステムとしたところです。

6つとして、カ、「学校・学級ダッシュボード」の導入により、どのような効果が想定されるのか伺います。

【答弁】教育長 学校カルテの内容を学校の管理職だけでなく、教職員一人一人が閲覧できるようになります。自校の強みや課題の背景の理解や改善の糸口となる情報の把握が可能となることで、よりよい学級経営や授業改善などが期待できます。

 只今の答弁で、全国学力・学習状況調査に加え、ふくしま学力調査も含めた、より詳細な調査分析となっていることがあらためて理解できたと思います。まさに市長が日頃から口にしているエビデンスに基づいた対応が日々進化しているものと評価したいと思います。こうした中7つとして、キ、今後、学力向上に向け、どのような取組みを行っていくのか伺います。

【答弁】教育長 今年度は、小・中学校合わせて10校抽出し、ダッシュボードの基本操作などのワークショップ型研修を行いました。今後は、各校の現状分析を精緻に行うとともに、データ活用サイクルを定着させるための教職員向けワークショップの対象校数を拡充していきます。また、学力向上アドバイザーだけでなく、指導主事も的確な指導助言を行うために、各校のダッシュボードをあらかじめ確認し、事前に確認して指導訪間に臨むなど、学校との連携を強化し教育委員会全体で学力向上の取組みを更に推進していきます。

答弁にあったように、素晴らしいツールによる分析もそれが校長等の学校を経営そして運営する皆さんのみが情報として把握しているというだけでは、本来の効果が十分に現れないと思います。学力向上は、即時性があるものではなく、真摯な取組みを長期間進めて、その効果が表れるものです。校長のリーダーシップのもと、「チーム学校」として機能すること、そしてそれを継続していくことが成果につながっていくのだと考えます。こうした学校全体で、学力向上に向けた取組みを進めていくことが大切だと考えます。全国学力・学習状況調査の単年度の結果に一喜一憂するのではなく、目指すべき姿をしっかり捉えて、着実な歩みを進めてほしいと思います。

  次に、(2)2点目として、「教育行政の情報発信」について伺います。

教育は、誰もが自分ごととして経験するものであり、様々な意見があるところだと思います。一方で、学力向上に近道なし、いわゆる派手さはありません。地道な取組みの積み重ねです。日々の取組みは、あまり変り映えがしないため、積極的な情報発信モードになりづらい、ということもあるかと思います。しかしながら、そうであればこそ、現在行っていること、日々の取り組み状況を繰り返し、あるいは定期的に発信していくこともまた重要だと思います。関係者の皆さんなどにとっては当たり前のことでも、意識的に情報を発信して目に触れる形になるということが、理解醸成に繋がると思います。こうした点から、まず1つとして、ア、教育行政の情報発信の考え方について伺います。

【答弁】教育長 市教育委員会としましては、これまでも、市教育大綱に掲げる「地域全体で人を育てる」という理念の実現に向け、情報発信に取り組んできました。議員お質しのとおり、教育は、誰もが自分ごととして経験するものです。だからこそ、本市の教育行政における日々の取組みを定期的に発信し、目に触れてもらうことで、個々人が必要としている情報を容易に取得できるよう発信することが重要と考えています。今年度においぞは、初めての取組みである教育長ブログの開設や、特に重点的に取り組んでいる「学力向上の取組み」についてのコンテンツを立ち上げ、情報発信に努めています。今後におきましても、学力向上の取組みをはじめ、教育行政の取組みについて、広く、市民の皆様に知っていただけるよう様々な機会を捉え、情報発信していきます。

各学校では、日々の出来事などを、画像とともに積極的に発信していますが、昨年の6月から服部教育長も、ご自身のブログを開設されています。私も密かなファンのひとりとしてブログの更新を楽しみにしています。1月末のブログには、「学校・学級ダッシュボード」のことが書いてあり、私も見て、今回質問の予習をさせていただきました。公式な情報発信と併せ、こうした取り組みもまた重要だと思っています。そこで2つとして、イ、ブログ開設の目的について、教育長に伺います。

【答弁】教育長 ブログをご覧になっていただきありがとうございます。一昨年9月に教育長に就任して以降、学校訪問や各種行事など、市内の様々な教育現場を見て、各学校に共通して克服すべき課題もある中、評価すべき素晴らしい取組みが、たくさん行われていることが分かりました。しかし、教育分野以外の人には馴染みがなかったり、教育委員会内部の我々自身も、なかなかその良さに気づいていなかったりします。そのような現状を積極的に提供し、お知らせしていきたい、という思いで昨年6 月からブログを開設しました。学校関係者や保護者の方々ばかりでなく、広く、市民の皆様にも、教育行政の「今」をお伝えしていきたいと考えております。

 教育長には、「教育行政情報」ということばかりではなく、個人の思いを含めた情報発信を、今後も積極的に続けていただきたいと思います。

  次に、(3) 3点目は、「教育環境整備」の取組みについてです。

すでに本市においては、児童生徒1人1台端末を整備し、児童生徒にタブレット端末を貸し出していますが、ICTを利活用した学習がスタンダードなものになりつつあると思っています。そこで、まず1つとして、これまで実施されてきた小中学校におけるICT利活用の状況はどのようなものか伺います。

【答弁】教育長 今年度に実施したICT活用における教員アンケート調査によると、教科の特性に応じた様々な学習場面で効果的な活用が図られています。具体的には、電子黒板等の大型提示装置による情報共有や、デジタルドリルなどを利用した個別学習、タブレット端末に入力した一人ひとりの考えを学級全員で共有しながらの意見交流、などの利用がなされています。また、主要5教科においては、回答のあった教員の約8割が、ほとんどの授業時に、タブレット端末や大型提示装置を活用した学びを実践しています。

本市においても、各学校で、タブレット端末や電子黒板・デジタルドリル等を活用した学びを実践しているようですが、次に、2つとして、イ、タブレット端末の活用など、ICTを活用した学習効果について、どのように捉えているのか伺います。

【答弁】教育長 同じく、今年度に実施したICT 活用における教員アンケート調査では「児童生徒の学習意欲が高まった」との回答が約9割、「児童生徒が他者と考えを交流し、学び合うことができた」との回答が約8割でした。また、「ICTを効果的に活用できるよう工夫することができた」や「児童生徒の学習評価に活用できた」などの回答も寄せられ、一定の効果が得られているものと捉えています。一方、 ICT活用による学習の伸びしろは、まだまだ大きいとも考えております。学校間で差があることから、更なる充実に向けて、先進的な事例も参考に、今後とも取り組んでいきます。

 実際に学校で利活用する先生方から、一定程度の良い効果が得られているとのことでしたが、そうであれば、学校内にとどまらず、家庭においても、ICTが活用できる更なる教育環境の整備が必要だと思います。国のGIGAスクール構想においても、子どもたちの学びを保障できるよう、新型コロナウイルス感染症のみならず、自然災害の発生等による学校の臨時休業等の緊急時に、学校と児童生徒とのやりとりを円滑に行える環境が必要とされています。さらに、文部科学省では、能登半島地震で被災した児童・生徒の学習指導で、ICTを活用して学びをできるだけ保障するように教育委員会に通知し、登校ができない場合でも欠席日数にカウントせずに、オンラインで学習したと校長が認めた場合その日数を記録することとしました。オンライン授業を実施する場合、震災で1人1台端末の故障・紛失や通信環境などの影響も考慮しながら学級全体での利用が止まらないように学習機会の確保を最優先に柔軟な対応を求めているとのことでした。このように想定外の自然災害にあった場合など、学校外で有効にタブレット端末が活用され、学習の機会が確保されることは、本市においても、大変重要なことだと考えます。そこで、3つとして、ウ、本市のタブレット端末は、学校外でも活用できる環境が整っているのか伺います。

【答弁】教育長 国のGIGAスクール構想で整備したタブレット端末は、いつでもどこでもクラウド利用できる仕様のため、学校外でも活用できます。このほか、児童生徒が安心・安全に利用できるようWebフィルタリング機能を付加するなどの環境も整えています。

これまで、様々な対応を行ってきたことがわかりましたが、いわゆる家庭への端末持ち帰り学習などの際には、家庭におけるWi-Fi等の通信環境の整備が必要不可欠であると思います。そこで、4つとして、エ、本市の通信環境の対応について伺います。

【答弁】教育長 すべての児童生徒の学びを保障するため、今年度、新たにオンライン家庭学習環境整備等補助金を創設しました。具体的には、家庭でのオンライン学習に必要なWi-Fi等の通信環境が未整備である就学援助世帯に対し、通信環境の整備に要した費用の一部を助成しています。また、個別最適な家庭学習のさらなる充実を図るため、学校と連携し、保護者の方の協力を得ながら今年度の冬休みからは本格的にタブレット端末を持ち帰り、家庭学習の推進に取り組んでいるところです。

文部科学省は、更新時期に達した初期配備のタブレット端末について、その更新費用を配備当初と同様の負担割合で来年度以降、随時進めていく方針を示したとのことです。また、小中学校におけるタブレット端末利用の頻度についての全国を対象とした調査が行われ、授業での端末の使用頻度に差が出ていることが分かりました。本県では、「ほぼ毎日」使用するが約2割で、週1回以上が約3割。月1回未満も約4%あったとのことで、文部科学省の担当者によれば、「使用頻度の数値目標はないものの公教育の必須ツールとして文房具のように使ってほしい」とのことでした。全国の利用頻度の差につきましては、地元の校長先生とお話しする機会があり、教育の最前線にいる先生方は、タブレット端末の利活用について、積極的に活用することを前提に指導しているものの、スマホタブレットの見過ぎ等による児童・生徒に対する視力への影響などにも気を使っていること。ICT利活用が始まって、まだ一定程度時間が経過していないことなど考慮すれば、現時点で数値化して評価するのはまだ早計ではないかとも思う部分あること。これから健康への影響などのエビデンスが取れれば、時間の経過とともに数値は上がっていくのではないかとお話されていました。そのようなことも踏まえながら、今後、国の補助制度を最大限活用して、誰一人取り残されることなく、すべての児童生徒の学びを保障するため、さらなる教育環境整備の構築を進めていただきたいと思います。

  そこで(4)4点目は、「学力向上を目指すことについて」です。

これまで、基礎学力の向上に向けた取り組みや、そのための教育環境整備ということを伺ってきましたが、そこで1つとして、ア、こうした取り組みを通じ、市長として学力向上を目指す意義について伺います。

【答弁】市長 私は、市長就任以来、人づくり日本一を掲げ、それを実現するための学力日本一という高い目標を表明してきました。現実的ではないのではないか、という声もあると思いますが、高い目標を掲げなければ、大きな効果も果たせません。本市の未来に向けて、再生エネルギーや脱炭素に配慮した産業や、若者の雇用創出、防災力向上、医師確保、まちづくりなどには、何と言っても人づくりです。時間がかかりますが、人づくりの肝となる、学力向上をしっかり、学校教育を通じて推し進めていきます。             

それでは、2つとして、イ、そのために、どのようなスキームで目指すべき方向性を見いだしていくのかについて、改めて伺います。

【答弁】市長 昨年度から動き出した 学力向上に向けた全校訪間の仕組みは、教育長が答弁申し上げたとおりです。印象として、各学校の受け入れ体制がかなり好意的で熱心です。全国的には、こうした仕組みづくりに、3 ・ 4 年はかかる市町村が多くあるなか、本市は、円滑に動きだしていると評価します。一方で、これからの課題は、更なる深化をどうするかです。時に、市外の専門家からも客観的アドバイスをもらいつつ、どのようにして教育改革の質を高め、現場を鼓舞するか。今後、第三者的視点を入れて、更なる深化につなげるなど、学力日本一の高みに向けて、時間はかかりますが、尽力していきます。

私が中学3年生の頃、今からもう約50年も前の話ですが、遠い記憶をたどれば、中体連が終わった2学期前後から、放課後2時間の課外授業がありました。遠く平田町のネオンの輝きを見下ろしながら、無我夢中で担当の先生方が用意してくれたプリントと格闘する自分がいました。隣に座る親友と、何回かある成績ごとのクラス分けテストに戦々恐々となりながらも、同じ目的のために頑張るという連帯感もわきました。今となればそれが良かったのかどうかはわかりませんが、本市内外で活躍する友人が数多くいます。その後、自分の子供が中学生の頃には、「ゆとりの教育」という時代がありました。当時PTA役員だった私は、心中やきもきして見守っていたと記憶しています。結果はどうかといえば、子ども曰く、親の時代と変わらず、活躍している同窓生は多くいるとのことでした。教育のあり方も、時流により様々に変わっていくものだと痛感しましたが、言いたいことは、大切なのは「教育」という目に見えないものに対し、先頭に立つ人が確固たる信念を示し、丁寧にそして具体的にその進め方をしっかりと浸透させていくことで、周りは共感し、必ず良い方向へ動くという「先頭に立つ人の覚悟」だと思います。教育の力は未来をつくる力です。教育の内田、人づくりの内田、未来をつくる内田として、残りの任期も一丁目一番地の施策充実に向けて、引き続き、邁進していただくことを要望して、次の質問に移ります。

  

2.第18次いわき市水道事業経営審議会からの答申について

大きな質問の2番目は、第18次いわき市水道事業経営審議会からの答申についてです。

本年の1月1日に発生した令和6年能登半島地震におきましては、多くのインフラが大きな被害を受けましたが、水道施設についても例外ではありません。令和6年1月28日現在、石川県では、輪島市など8市町で約42,490戸が未だに断水している状況とのことです。近年は、世界的な気候変動の影響等による気象の急激な変化や地震などによる自然災害が頻発化、激甚化しており、これらを要因とする大規模断水が発生し、長期化する事例が度々報告されているところです。本市においても、市内で最大の施設能力を有する平浄水場が浸水被害を受け、約45,400戸が断水し、市民生活や地域経済活動に大きな影響を与えた、令和元年東日本台風による豪雨災害は、記憶に新しいところです。さて、私は、2年前の令和4年2月定例会において、当時策定されて間もない新たな経営計画の「いわき水みらいビジョン2031」について質問いたしました。その中で、特に主要な事業として位置付けられたもののうち、令和元年東日本台風により浸水被害を受けた平浄水場などの浸水対策事業、基幹浄水場をつなぐ連絡管によって断水地区への給水を可能とする基幹浄水場連絡管整備事業、年間約23キロメートルを更新目標とした老朽管更新事業の内容などについて理解したところであります。しかしながら、予定する事業を実施した場合、令和9年度には資金不足が生じることが避けられない見込みであるとの説明を受けました。今般、第18次いわき市水道事業経営審議会から市長に対し、答申がなされましたが、審議会ではいわき水みらいビジョン2031の取組み状況について審議がされたところです。そこで、審議会の中で、どのような議論が行われ、答申に至ったのか、また、ビジョンが策定されてから2年が経過しましたが、ビジョンの取組み状況はどのようなものか、さらには今回の答申を踏まえ、今後どのように水道事業を経営していくのか、その考え方について伺ってまいります。

  (1)1点目は、第18次いわき市水道事業経営審議会に対する諮問についてです。

水道事業経営審議会は、市長の諮問に応じて水道事業の経営に関し、必要な事項を調査・審議するという重要な役割を担っているものと認識しています。そのような流れの中、令和4年7月28日に、市長から水道事業経営審議会に対して、諮問がなされたところですが、それでは、初めに、その諮問の内容について伺います。

【答弁】水道局長 諮間は、「今後の水道事業経営について」であり、具体的には「いわき水みらいビジョン2031の取組状況について」と「その他経営に関する諸課題等について」の2点となります。諮問の理由としましては、前回の第17次審議会からの答申内容を踏まえ令和4 年1月に策定した「いわき水みらいビジョン2031」の取組状況を中心に審議をして頂くことを目的としております。主な審議項目としては、1 つとして、ビジョンに掲げた「安全」「強靭」「持続」の将来像の実現に向け、安定供給に欠くことができない事業や、令和元年東日本台風の経験を踏まえた災害対策事業などが着実に実施されているか。2つとして、そういった必要不可欠な事業を進めた場合、令和9年度には資金不足が生じる見込みであるため、先ずは併せて計画に位置付けた水道施設の統廃合などの費用削減が着実に実行されているか。3つとして、その他経営に関する諸課題等として、広報のあり方についてなどとしました。以上により、今後の水道事業経営についてご意見を頂くものとしました。

  次に、(2)2点目として、第18次いわき市水道事業経営審議会答申の内容について伺います。

諮問事項の一つである、いわき水みらいビジョン2031の取組み状況についてですが、まず1つとして、ア、いわき水みらいビジョン2031の概要とは、どのようなものか、改めて伺います。

【答弁】水道局長 いわき水みらいビジョン2031は、本市の水道を次世代に、より健全な姿で引き継ぐため、水道事業経営の総合的な経営計画として、令和4年度から令和13年度までの10年間を計画期間として策定したものです。基本理念を「未来に引き継ぐいわきの水道~安全でおいしい水を必要なだけ~」とし、「安全」「強靭」「持続」の観点から将来像の実現に向け、12の施策の柱のもとに体系化した66事業を推進していくものです。また、ビジョンに掲げた目指すべき将来像への歩みを効率的に進めることを目指し、水道施設の延命化や更新需要の見直し、水道施設の統廃合や適正化などの経営の効率化の取組を併せて推進していくものです。

次に、ビジョンの取組み状況について伺ってまいります。2つとしてイ、令和4年度の取組み状況はどうだったのか伺います。

【答弁】水道局長 ビジョンに基づき、目指すべき将来像を実現するため、安全・強靭・持続の3つの方向性ごとに、安全は「水安全計画の推進」など、強靭は「老朽管更新事業」など、持続は「水みらいビジョンの進行管理と評価」などの66事業に取り組みました。そのうち、特に重要な事業として位置付けた「老朽管更新事業」、「水道施設津波・浸水対策事業」、「基幹浄水場連絡管整備事業」などの9つの事業を「主要事業」として重点的に進めています。令和4年度における取組状況については、一部の事業において、世界的な半導体等供給不足の影響等により事業繰越となったものの、令和5年度には完了したことから、おおむね計画どおり事業が進捗しています。

9つの事業が特に重要な事業として位置付けられているとのことですが、3つとして、ウ、主要事業の取組み状況は、具体的にはどのようなものだったか伺います。

【答弁】水道局長 9つの主要事業のうち、特に「老朽管更新事業」、「水道施設津波・浸水対策事業」及び「基幹浄水場連絡管整備事業」で申し上げます。「老朽管更新事業」は、管路の老朽化による更新需要の増加が事業経営に大きな影響を及ぼすため、「標準使用年数」等の更新基準を設定し、年間更新率1%、延長約23kmを目標に管路の更新を行うものです。令和4年度は、管路延長2, 280kmのうち24. 2kmの管路更新し、年間更新率1%の目標を上回りました。「水道施設津波・浸水対策事業」は、津波や大雨による浸水被害が発生した場合においても、安定した給水を確保するため、防護壁の設置など、津波・浸水対策を9つの施設で進めるものです。令和4年度は、水道局本庁舎、下平窪取水場の2施設について、対策が完了しています。この事業は、令和5年度から恒久対策として進めている平浄水場の対策が完了する令和7年度末で、全ての水道施設の津波・浸水対策が完了します。「基幹浄水場連絡管整備事業」は、浄水場間での相互融通体制を構築することを目的に連絡管等の整備を行うもので、これまで上野原浄水場 バックアップについて取り組んできたところです。現在、平浄水場から泉浄水場等をバックアップするため、「中部配水池」や「鹿島・常磐水系幹線」を令和10年度の完成を目途に事業を進めているところです。これら主要事業については、どの事業も必要不可欠な事業であり、今後も確実に推進していく必要があると思います。しかしながら、自然災害への対策や老朽管更新事業などの主要事業への投資が必要である一方、水需要の減少が続いており、収入の大部分を占める水道料金収入は減少しています。

経営環境がこれまで以上に厳しい状況となることが見込まれる中、ビジョンに掲げた目指すべき将来像への歩みを効率的に進めることを目指し、今後も課題に柔軟に対応していくためには、経営の効率化に取り組んでいくことが必要だと考えますが、4つとして、エ、その取組み状況はどのようになっているのか伺います。

【答弁】水道局長 経営効率化の取組については、これまで、効率的な組織体制の構築や浄水場運転管理業務の民間委託、水道料金に関わる営業業務部門の包括委託などにより大幅な人件費の縮減をしてきました。また、小規模施設の統廃合等による維持管理費の削減、さらには企業債借入の抑制による支払利息の縮減を図るなど、効率化の取組を推進してきました。現行のビジョンにおいても具体的な経営効率化の取組として、「水道施設の適正化・効率化の取組」、「水道施設更新需要等経費節減の取組」、「財源確保及び業務改善の取組」、「効率的な組織体制の構築の取組」に15の事業を位置づけています。令和4年度は、水系変更等を実施した施設の廃止、統廃合等に伴う路線の廃止などにより13億5 千万円を縮減しました。今後においても、先ずは、ビジョンに取り込んだ経営効率化の取組を着実に実施していくことが重要であり、更なる収入増加、経費節減に向けた取組を検討実施していく必要があると考えています。

私は、2年前の質問の中で、ビジョンにおける計画期間内の財政収支見通しについてどのように分析しているのか伺いました。その際、令和4年度からの10年間の財政収支見通しについては、令和9年度に資金不足が生じ、その不足額は令和9年度からの5年間で、約34億5,000万円と見込んでいるとの答弁がありました。そこで5つとして、オ、令和4年度決算等を反映した計画期間内の財政収支見通しについて伺います。

【答弁】水道局長 財政収支計画では、令和4年度から13年度までの10年間において、収益的収支については、給水人口の減に伴う給水収益の減などにより、純利益が年々減少すると見込んでいます。資本的収支については、安定供給に欠くことができない事業や、災害対策事業などの事業を実施していく必要があるため、令和9年度には資金不足が生じると見込んでおり、その額は令和9年度からの5年間で、約34億5, 000万円と見込んでいます。令和4年度決算と令和5年度予算を反映した収支見通しで申し上げますと、令和9年度からの5年間の資金不足額は約36億2, 000万円となる見込みです。計画額と比べ、資金不足額がさらに約1億7, 000万円増加する見込みです。これは、決算等において、収入面では水道料金収入が計画額に比べ、さらに減となったこと、支出面では電気料金の高騰に伴い、動力費が増となったことなどによるものです。経営効率化の取組を着実に進めているものの、計画で見込んでいなかった影響も受け、厳しい財政状況となっています。今後、計画期間の中間地点である令和8年度には、事業の現状等を踏まえたビジョンの見直しと併せ、水道料金水準の見直しや企業債充当率の見直しの必要性などについて議論を頂く必要があると考えています。

ただ今の答弁から、料金収入の減や燃料の高騰などにより、令和4年度は1億7,000万円の減少とのことでした。全国的に経営環境は厳しいものだと理解しますが、さらなる財政収支の分析そして見直しが必要なものと考えます。 ここまで、審議会に対する諮問事項の一つである、いわき水みらいビジョン2031の取組み状況について伺ってまいりました。

  続いて、もう一つの諮問事項である、その他経営に関する諸課題等について、伺います。

2年前の質問の中で、市民の皆様に主要事業などの事業の進捗がどのようになっているのか、分かりやすくお知らせすることについて要望いたしました。そこで、市民の皆様が必要とする情報をどのようにお知らせしているのか、 1つとして、ア、効果的な広報のあり方について伺います。

【答弁】水道局長 水道局では、迅速かつ効果的な情報提供を行うため、「いわき市水道事業広報戦略」に基づき、広報活動を展開しています。具体的には、実施した事業の進捗や成果など水道事業の経営に関する情報のほか、「水道水の安全の確保」や、平浄水場の浸水対策等の「災害対策事業」など、アンケートに基づきながら市民の皆様が必要とする情報を発信しています。また、情報発信の方法については、広報紙を中心とする紙媒体や、ホームページ、SNS等の電子媒体、さらにはパブリシティの活用など、それぞれの広報媒体の持つ特徴や情報の内容により活用する媒体を選択しながら、分かりやすく効果的な情報発信に努めているところです。さらに、発信に際しては、広報紙やSNSにQRコードやリンクを掲載してホームページに誘導するクロスメディアを推進しているほか、災害時におけるSNSの即時性を活用した情報発信の見直しを行うなど、常に改善を図りながら、時代の変化に適応した情報発信に取り組んでいるところです。

次に、2つとして、イ、料金制度全体のあり方について伺います。

【答弁】水道局長 令和8年度には、水道料金水準の見直しなどの必要性について議論を頂く必要があると考えています。料金体系については、第16次いわき市水道事業経営審議会答申における「料金制度全体のあり方」についての課題と見直しの方向性を踏まえ、安定経営に資する料金体系について検討する必要があるものと考えています。

今回の審議会の中では、いろいろな立場から多くの貴重なご意見が出されたものと推察いたしますが、それでは、経営審議会からの意見の総括について伺います。

【答弁】水道局長 審議会では、いわき水みらいビジョン2031の取組状況などを確認、審議しご意見を頂きました。意見の総括としましては、主要事業の取組状況については、おおむね計画どおり事業が進捗しており、経営効率化の取組については、計画で見込んだ取組が着実に実行されているとの答申を頂きました。また、計画期間の財政収支見通しについては、厳しい財政状況であることに変わりはないこと、計画期間の中間地点である令和8年度には、事業の現状と課題を踏まえた上で、ビジョンを見直しし、その際には水道料金水準の見直しや企業債充当率の見直しの検討を行う必要があり、今後、審議会で審議する必要があることを確認して頂きました。更には、安定経営に資する料金体系となるよう料金制度全体のあり方について検討する必要があることを確認して頂きました。それらの確認を踏まえた上で、ビジョンに定める将来像の実現に向け、経営環境の変化を的確に捉えながら、持続可能な経営基盤の確立に努めること。併せて、実施した事業の進捗や成果をはじめ、経費節減の取組、料金水準の見直しが必要な状況などを積極的に分かりやすく情報発信することを望むとのご意見を頂きました。

審議会内での様々なご意見については、真摯に受け止めながら、しっかりと次につなげるようお願いしたいと思います。

  (3)3点目は、答申を踏まえた今後の対応についてであります。

先ほど経営効率化の取組状況について、先ずは、ビジョンに取り込んだ経営効率化の取組みを着実に実施していくとの答弁がありました。しかしながら、令和4年度の決算等を反映した計画期間内の収支見通しは、ビジョン策定時と比べて、厳しい状況となっているとのことです。そこで、1つとして、ア、コスト縮減としての施設の統廃合について今後どのようにしていくのか伺います。

【答弁】水道局長 水道施設の統廃合につきましては、いわき市発足当時に旧市町村から上水道9事業、簡易水道19事業と併せて、数多くの水道施設が引き継がれました。その後、創設事業や三期にわたる拡張事業により、上水道簡易水道の統合や小規模浄水場など多くの水道施設の統廃合を行ってきたところです。今後、さらに水需要が減少していく中で、水道施設の再構築を進めるに当たっては、効率化の観点から更なる統廃合を進めて行く必要があります。このことから、今後の施設の統廃合については、水道事業の柱となる計画として令和4年1月に策定した、水道施設総合整備計画の水道施設再構築構想の中に位置付けています。具体的には、基幹浄水場連絡管整備事業をはじめ、浄水場の再整備と相互融通体制の構築などの推進に伴い、水道施設のダウンサイジングと統廃合をしようとするものです。ビジョンの計画期間内においては、経営効率化の取組の1つとして、中部配水池の新設に伴い、南白土配水池や南白土ポンプ場、諏訪下ポンプ場などを廃止する統廃合を実施する予定です。なお、特に大規模施設の更新、再整備にあたっては、水需要の減少度合を見ながら、施設規模の適正化について引き続き検討するとともに、併せて事務事業に係る経費節減に努めていきます。

今後も水道料金収入が減少していくことが見込まれる中、事業を健全に運営していくためには、料金水準の見直し等の財源確保の検討が必要不可欠となるとのことですが、2つとして、イ、より安定的な財源確保に向けた料金体系の考え方について伺います。

【答弁】水道局長 事業を健全に運営していくためには、基本料金と水量料金の組み合わせからなる料金体系と改定率にも関わる料金水準の両面から検討する必要があります。本市の水道料金体系については、口径別の料金体系としており、多くの事業体が採用している基本料金と水量料金の二部料金制を採用しています。基本料金と水量料金の比率はおおむね3対7としていますが、料金原価の9 割程度を占める固定的な経費を安定的に回収できていないなどの課題があります。今後も、水需要の減少が予測される中で、水道事業を行うための固定的な経費を安定的に回収するためには、基本料金と水量料金の割合を見直すなど、水需要の増減に影響されにくい料金体系を構築する必要があると考えています。

では、3つとして、ウ、それをどのように進めていくのか伺います。

【答弁】水道局長 第18次審議会からの答申を踏まえ、より安定的な財源を確保するための料金体系について、令和6年1月に設置した第19次審議会に諮間いたしました。今後、第19次審議会の設置期間である令和8年1月までの2年間において、他の諮間事項と併せて、検討、審議をして頂き、令和7年12月を目途に答申を頂く予定としています。なお、令和9年度に生じる見込みである資金不足額の対応としての水道料金改定の必要性、水道料金水準の見直しについては、今後の経営状況を踏まえたうえで、令和8年1月に設置する予定の第20次審議会において審議していただくことを考えています。

料金体系の考え方と進め方については、市民生活に大きな影響を及ぼすため、市民の皆様に分かりやすくお知らせし、理解していただくことが大切です。そこで、4つとして、エ、水道事業経営に関する情報発信の考え方はどのようなものか伺います。

【答弁】水道局長 人口減少により水道料金収入が減少していく厳しい経営環境下においても、暮らしや地域社会経済に密着した水道システムを、将来にわたり弓は継いでいくためには、市民の皆様の理解が不可欠で信頼関係の構築が極めて重要です。そのため、市民の皆様が求める情報を、適時適切に分かりやすく広報紙やSNS、更にはパブリシティの活用など、最適な媒体と手法によって、積極的に提供すること、また、出前講座や水道週間等の様々な機会を捉えた情報の提供等に鋭意取り組んでいきたいと考えています。「どうしたら興味を持ってもらえるか」、「どうしたら分かりやすくなるか」など、常に市民の目線に立って考え、水道事業経営に対する意見や要望を業務に反映させることによって、関心を持ってもらったり、理解を得られるように努めていきます。このような取組を通し、市民の皆様の水道事業経営に対する共感や納得感を得られるよう、「水道事業経営の見える化」の考え方のもと、積極的な情報発信に取り組んでいきたいと考えています。

水道事業を取り巻くさまざまな課題を踏まえビジョンには本市の目指すべき将来像を導き出しています。5つとして、オ、ビジョンに定める将来像の実現に向けた、今後の水道事業経営に対する基本的な考え方について伺います。

【答弁】水道事業管理者 水道事業経営を取り巻く環境は、人口減少等に伴う給水収益の減少など厳しい状況にありますが、いわき水みらいビジョン2031に定める将来像の実現に向け、将来にわたり安定供給に欠くことができない水道施設の適切な維持管理と老朽化施設の計画的更新に鋭意取り組んでいきます。更には、令和元年東日本台風等の経験を踏まえた水道施設の耐震化、浸水対策、停電対策など、災害に強い水道事業の構築に向け、引き続き全力を挙げて取り組んでいきます。また、水道事業に係る各種施策を着実に展開するためには、経営環境の変化を的確に捉えるとともに、経営効率化の観点を強く意識しながら取り組む必要があると考えています。1 つには、DXの推進、アセットマネジメントの活用等により、新技術を活用した業務の改善、効率化、更には、水道施設の統廃合やダウンサイジングを進めるなど、事業コストの削減と施設の最適化を図ることです。2 つには、民間の力や資金を適切に活用する官民連携の取り組みを進めるなど、地域の様々な力を結集した力強い水道事業の推進を図ることです。3 つには、水道は、暮らしや地域社会経済を支える基本的なライフラインであることから、水道事業のプレゼンスを高め、経営や事業に関する様々な情報の発信、共有等を通し、市民との協働を進めるなど、市民と共に創り上げる水道事業の推進を図ることです。今後の水道事業の経営にあたっては、このような基本的な考え方を踏まえ、前例に捉われることなく、裾野を広げながら、各種施策を推進し、ビジョンが掲げる「安全」「強靭」「持続」の将来像の実現に向け、そして、将来世代に引き継ぐべく持続可能な経営基盤の確立に努めていきたいと考えています。

本市は広域多核都市で市街地が分散していることなどから、多くの水道施設を有しています。施設の統廃合など、引き続き経営効率化の取組みを着実に実行されるとともに、更なる経費節減に向けた具体的な事業の効率化などの方策について、特に料金体系の考え方そして進め方や水道料金水準の見直し等については、今後の審議会などの意見を中心に検討されると思います。早い時期から情報発信し、市民の皆様の理解醸成に取り組んでいただきたいと思います。さらに、経営環境の変化を的確に捉えながら、切れ目なく検討し、持続可能な経営基盤の確立に、しっかりと努めていただくよう強く要望いたします。

 最後に、本年度末をもってご退任される皆様に対し、これまでの市政各分野でのご功績と永年にわたるご労苦に、心より感謝申し上げます。来年度以降もまた、別の視点から市政を支えていただくようお願いして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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